一般皮膚科について
皮膚のトラブルは年齢や性別を問わず、誰にでも起こりうる身近な症状です。特に下着や衣類で蒸れやすい部分は、汗や老廃物が溜まりやすく、炎症やかゆみなどの皮膚疾患が発生しやすい傾向があります。
しかし、「見せるのが恥ずかしい」「すぐ治るだろう」と受診を躊躇う方も少なくありません。症状を放置すると悪化することもあるため、早めのご相談をお勧めします。
当院では、丁寧な診察と1人ひとりに合わせた治療を心がけております。気になる症状があれば、些細なことでも安心してご相談ください。
当院で対応している主な疾患
水いぼ
水いぼは、「伝染性軟属腫ウイルス」によって引き起こされるウイルス性の皮膚感染症です。
主に乳幼児や小さなお子様に多く見られ、特に夏場はプールなどを介して感染が広がりやすくなります。また、アトピー性皮膚炎のある方や、乾燥肌の方は皮膚のバリア機能が低下しているため、感染しやすく、水いぼが複数できやすい傾向があります。
水いぼの治療
専用のピンセットで1つずつ除去する方法をとります。
処置の際に痛みを感じることがあるため、に「ペンレステープ(局所麻酔を含むテープ)」を患部に貼付した90分後に、痛みを軽減してから行います。そのため、除去処置は原則、診察とは別日に実施いたします。
脂漏性角化症
脂漏性角化症は、加齢によって皮膚に現れる良性腫瘍の1つです。色調は淡い褐色から黒褐色まで様々で、大きさや形にも個人差があります。「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」とも呼ばれます。
脂漏性角化症の治療
液体窒素を用いて患部を凍らせる凍結療法を行います。
この処置は通常、1〜2週間に1回の頻度で繰り返し行う必要があります。
液体窒素による凍結で、一時的に色素沈着や水ぶくれが生じる可能性があるため、施術後の経過観察も重要です。治療には時間がかかるため、継続的な通院をお願いしています。
尋常性疣贅
尋常性疣贅は、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染によって生じるウイルス性のいぼで、特に子どもの手や足の裏に多く見られます。
HPVには100種類以上の型が存在すると言われており、健康な皮膚には感染しにくいものの、小さな傷や擦り傷などからウイルスが侵入し、いぼが発生することがあります。
初期のいぼは小さく平らで、痛みやかゆみはほとんど感じられませんが、徐々に盛り上がって硬くなり、表面がザラザラしてくるのが特徴です。
なお、足の裏にできた場合は、体重の圧によって盛り上がることはないものの、歩行時に痛みを感じることがあります。
尋常性疣贅の治療
液体窒素による凍結療法や、いぼに薬剤を塗布して皮膚組織を徐々に除去していく方法などがあります。これらの治療はいずれも、1回で完治するものではなく、一定の間隔で複数回の処置が必要となります。当院では、液体窒素を用いた凍結療法を採用しています。
帯状疱疹
帯状疱疹は、「水痘帯状疱疹ウイルス」の感染によって発症するウイルス性疾患です。
このウイルスに初めて感染した際は、水ぼうそう(水痘)として発症します。
水ぼうそうが治癒した後も、ウイルスは完全には排除されず、神経節の中に潜伏し続けるのが特徴です(潜伏感染)。そのため、過労やストレス、加齢などで免疫力が低下した際に、ウイルスが再活性化し、帯状疱疹として再び現れることがあります。
帯状疱疹の治療
主に抗ウイルス薬を使用する薬物療法が行われます。
発症後できるだけ早い段階で治療を開始することで、症状の軽減や合併症の予防が期待されます。
合併症として「帯状疱疹後神経痛」が生じることがあり、その場合はまず鎮痛薬による対応を行います。痛みが強く、長期間にわたって改善が見られない場合には、ペインクリニックなどでの専門的な治療が必要になることもあります。
また、重度の症状がある方や、基礎疾患のある方、高齢の患者様では、入院が必要と判断される場合もあります。その際は、大学病院やかかりつけの医療機関へご紹介させて頂きます。
にきび
にきびは、皮脂(皮膚から分泌される脂分)が過剰に分泌されることで毛穴に溜まり、炎症を起こす皮膚トラブルです。
思春期のホルモン変化によるものが代表的ですが、大人でもストレス、過労、睡眠不足、不規則な生活習慣、誤ったスキンケアなどが原因となり、悪化しやすいです。
にきびの治療
にきび治療の基本は、外用薬を中心とした薬物療法です。
症状の程度やにきびの種類に応じて、抗菌薬、漢方薬などの内服薬を併用することもあります。
また、膿を持った炎症性のにきびに対しては、「面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)」と呼ばれる処置を行う場合もあります。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が活発な部位に発症する皮膚炎で、白いフケのような粉状の皮膚と赤みが特徴です。主に、頭皮や髪の生え際、顔、鼻の周り、耳の後ろ、脇の下、胸元、背中の上部などに症状が見られます。
なお、かゆみの程度には個人差があります。
特に成人の脂漏性皮膚炎は慢性化しやすく、症状を繰り返す傾向があります。
脂漏性皮膚炎の治療
主にステロイド外用薬や抗真菌薬を使用して炎症を抑えます。かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬を併用して症状の緩和を図ります。
また、発症や悪化には生活習慣も関係しているため、生活習慣の見直しも重要です。
脂漏性皮膚炎は再発しやすい皮膚疾患のため、治療と併せて予防にも取り組むことが大切です。
乾癬
乾癬は、境界が明瞭な赤い発疹と、表面に銀白色のカサついた皮膚(鱗屑[りんせつ])が現れる慢性皮膚疾患です。
青年期から中年期にかけて発症することが多く、症状は良くなったり悪化したりを繰り返すことが特徴です。
発疹は全身に現れることがあり、場合によっては爪の変形や関節の痛みを伴うこともあります。これらの症状が見られる場合は、より専門的な治療が必要となるため、高度医療機関へ紹介を行うことがあります。
原因は明確には解明されていませんが、遺伝的要因に加え、不規則な生活習慣や食生活、肥満、ストレス、薬剤、感染症などが関与していると考えられています。
乾癬の治療
ステロイド外用薬やビタミンD3製剤による塗り薬を中心に、必要に応じて内服薬を併用する治療を行っております。
アトピー性皮膚炎
皮膚には、外部から侵入する異物や刺激から体を守る「バリア機能」が備わっています。アトピー性皮膚炎は、このバリア機能が低下することで、アレルゲンや刺激物に過敏に反応し、かゆみや炎症などの症状が慢性的に現れる疾患です。
症状は良くなったり悪化したりを繰り返すことが特徴で、特に汗をかきやすい夏や乾燥する冬の季節には悪化しやすい傾向があります。
アトピー性皮膚炎の治療
アトピー性皮膚炎の治療は、症状の重症度や経過に応じて複数の方法を組み合わせて行います。主な治療法には、外用療法(ステロイド外用薬、デルゴシチニブ軟膏、タクロリムス軟膏など)、内服療法(抗ヒスタミン薬)、注射療法(生物学的製剤「デュピクセント」)があります。さらに、適切なスキンケアの継続や悪化要因の除去も、症状の安定には欠かせません。
ヘルペス
ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスへの感染によって発症するウイルス性の皮膚疾患です。
主に唇や口の周りに、小さな水疱とともにピリピリとした痛みを感じるのが特徴です。
症状が治まってもウイルスは体内に潜伏し続けるため、風邪・疲労・ストレス・免疫力の低下などをきっかけに再発することがあります。
特に水疱ができている間は感染リスクが高く、タオルの共有やキスなどで他人にうつる可能性があるため、注意しましょう。
ヘルペスの治療
抗ヘルペスウイルス薬による内服または外用を行います。
症状の進行を抑えるためには、できるだけ早い段階での治療開始が重要です。
手湿疹
手湿疹は、皮膚のバリア機能が低下することで起こる炎症性の皮膚疾患です。
原因としては、水や洗剤による皮脂や水分の減少、アレルゲンとの接触、化学物質による刺激、日常的な摩擦などが挙げられます。
乾燥によるカサつきや、ジュクジュクした水疱などの症状が現れます。
水仕事が多い方に多く見られるため、「主婦湿疹」とも呼ばれ、美容師や調理師など、手を頻繁に使う職業の方にも発症しやすい傾向があります。
手の荒れや湿疹でお困りの方は、お早めに当院までご相談ください。
手湿疹の治療
乾燥が主な症状の場合は、皮膚の保護と保湿を目的に保湿剤を外用します。
かゆみや痛み、炎症が見られる場合には、ステロイド外用薬を使用して症状の改善を図ります。手湿疹は再発しやすい傾向があるため、症状が落ち着いていても継続的に外用薬を使用することが大切です。
しもやけ(凍瘡)
しもやけ(凍瘡)は、寒さによる血行不良が原因として生じる皮膚の炎症です。
特に気温が5度前後まで下がり、1日の気温差が10度以上あるような環境で発症しやすくなります。手足の指、耳、頬など、冷えやすい部位に赤紫色の腫れが見られ、かゆみや痛みを伴うこともあります。
重症の場合には、水ぶくれ(水疱)や皮膚のただれ(潰瘍)に進行することもあります。
また、膠原病の症状としてしもやけに似た皮膚変化が見られる場合もあります。
毎年同じような症状を繰り返している方は、お早めに当院までご相談ください。
しもやけの治療
血行を促進する外用薬の使用や、血流改善薬・ビタミンE製剤の内服を行います。
蕁麻疹
蕁麻疹は、突然皮膚が盛り上がり、激しいかゆみを伴う発疹が現れる疾患です。
限られた範囲に出る場合もあれば、全身に広がることもあります。
日光や圧迫などの物理的な刺激が関与することもありますが、原因は多岐にわたり、わからないケースがほとんどです。
発疹は通常、数時間から数日以内に自然に消えることが多いですが、毎日場所を変えながら繰り返し現れる場合もあります。
また、ストレス・疲労・睡眠不足などが悪化の引き金となることもあります。
蕁麻疹の治療
蕁麻疹の主な治療は、抗アレルギー薬の内服によって、かゆみや発疹を抑えることです。
症状が慢性的に続く場合には、経過を見ながら定期的にご来院頂き、内服薬の種類や量を調整していきます。内服薬投与をしても改善が見られない場合には、生物製剤という注射の治療を行うこともあります。
やけど(熱傷)
やけど(熱傷)は、高温の液体や物体が皮膚や粘膜に触れることで生じる損傷です。
その深さや損傷の程度に応じて、1度〜3度の熱傷に分類されます。
- 1度熱傷:表皮のみに炎症が生じた状態で、赤みが出ますが水疱は形成されません。
- 2度熱傷:炎症が真皮まで及んだ状態で、水疱や潰瘍ができるほか、強い痛みや灼熱感が現れます。
- 3度熱傷:損傷が皮下組織や骨にまで達し、皮膚が壊死するため、皮膚移植が必要です。
やけどをした際は、早急に患部を冷やすことが重要です。水道水で構いませんので、ただちに冷却し、その後は保冷剤などで冷やしながら、早めに当院へご相談ください。
やけどの治療
治療方法は、損傷の深さ(熱傷の程度)や広がりによって異なります。
1度熱傷
ステロイド外用薬などを使用して炎症を抑える治療を行います。
2度熱傷
ステロイド外用薬に加え、感染予防や組織修復を目的とした軟膏を併用します。
重症度によっては治癒までに1ヶ月以上かかるケースもあり、その間は定期的な診察と処置が必要です。
多汗症
多汗症は、頭部・手足・顔・脇などから必要以上に汗が分泌されることで、日常生活に支障をきたす疾患です。
「文字を書くときに手汗で紙が濡れてしまう」「足の汗がひどく、靴の中が蒸れてニオイが気になる」「冬でも脇汗が止まらず、服に汗ジミができてしまう」
といった悩みを抱える方も少なくありません。
当院では、症状の程度やお困りの内容に応じて、最適な治療法をご提案いたします。
多汗症の治療
外用の抗コリン薬
発汗を抑えるための抗コリン薬(外用剤)を使用します。
特に脇の多汗症に対しては、保険適用で処方が可能です。
ただし、皮膚のかぶれなどの副作用が出ることがあり、閉塞性緑内障や前立腺肥大のある方には処方できないため、慎重な判断が必要です。
内服の抗コリン薬
神経系に作用するプロバンサインという内服薬を使用します。
これは、アセチルコリンの働きを抑えることで発汗を抑制するお薬で、全身的な汗の量を減らす効果が期待されますが、閉塞性緑内障や前立腺肥大などの持病をお持ちの方には使用できません。
円形脱毛症
円形脱毛症は、突然髪の毛が抜け落ちる自己免疫性の疾患です。年齢や性別を問わず、誰にでも発症する可能性があります。頭皮に限らず、眉毛・まつ毛などの体毛にまで脱毛が広がるケースもあり、その範囲や程度は人によって様々です。基本的にはかゆみや痛みなどの自覚症状はないことが多く、自己免疫疾患などの基礎疾患が関与していることもあり、必要に応じて血液検査などの精密検査を行います。若年で発症するケースは一度改善しても、再燃することが多いです。
脱毛の範囲が小さい場合や脱毛部位が少数である場合は、自然に治癒する可能性も高く、気づかないうちに改善しているケースも多いです。
一方で、脱毛範囲が広がっている場合、症状が急速に進行した場合、数週間以上続いている場合などは、早めに受診して適切な治療を開始しましょう。
円形脱毛症の治療
症状に応じて、ステロイド外用薬の塗布、局所注射による炎症のコントロール、液体窒素による刺激療法を行います。
白癬
白癬とは、白癬菌という真菌(カビ)によって引き起こされる皮膚の感染症です。
発症部位によって名称が変わり、以下のように呼ばれています。
- 足:水虫(足白癬)
- 頭部:しらくも(頭部白癬)
- 体:ぜにたむし(体部白癬)
- 股部:いんきんたむし(股部白癬)
なかでも最も多く見られるのが足白癬(水虫)で、症状には「足の指の間がジュクジュクする」「皮がむける」「白くかゆくなる」などがあり、日本では特に夏場に25%以上の方が足白癬を発症しているとも報告されています。
また、爪に白癬菌が感染する「爪白癬」もよく見られ、10人に1人が発症していると言われています。
白癬の確定診断には、顕微鏡検査で菌の存在を確認する必要があります。
※市販の水虫薬を使用すると正確な診断が難しくなるため、検査の2週間前からは市販薬の使用を控えてご来院ください。
白癬の治療
抗真菌薬(外用薬または内服薬)による薬物療法が基本となります。
症状が改善したように見えても自己判断で治療を中断しないようにしましょう。白癬菌は皮膚の奥深くに残っている可能性があるため、医師の指示があるまで外用薬の使用を継続することが重要です。
また、爪白癬の場合は内服薬による治療が選択されることもあります。その際には、肝機能障害などの副作用リスクを考慮し、事前に採血検査を行います。異常がなければ、内服治療を開始することが可能です。
胼胝(べんち・たこ)
胼胝(たこ)は、皮膚の一部に繰り返し刺激や圧力が加わることで、角質が厚く硬くなる状態です。通常、痛みは感じません。
主に足の裏や足の指にできやすいですが、生活習慣や動作のクセによっては、手指や足の甲などにも発生することがあります。
胼胝の治療
症状の程度に応じて、カミソリ・ハサミ・メスなどの専用器具を用いて、厚くなった角質を丁寧に削る処置を行うこともあります。
鶏眼(けいがん)(魚の目)
鶏眼は、一般に「魚の目」と呼ばれ、中心に芯のような硬い角質が見えるのが特徴です。
同じ部位に繰り返し圧力や摩擦がかかることで角質が厚くなり、内部に芯を形成します。
この芯が神経を圧迫するため、歩行時や体重がかかると強い痛みを引き起こすことがあります。なお、子どもの皮膚は柔らかいため、鶏眼ができることはほとんどありません。
小児で「魚の目」と診断された場合、実際にはウイルスによるいぼ(疣贅「ゆうぜい」)であることが多いです。
鶏眼の治療
鶏眼の治療は、厚くなった角質や芯を削る処置が中心となります。
ただし、歩き方のクセや足に合わない靴、継続的な圧迫などの原因を改善しない限り、再発のリスクが高くなるため、日常生活の見直しも重要です。
皮脂欠乏性湿疹
皮脂欠乏性湿疹は、皮脂や汗の分泌量が減少することによって起こる湿疹の一種です。
原因としては、加齢による皮脂分泌の低下や、入浴時の過度な洗浄などが挙げられます。
特に乾燥しやすい冬場に多く見られ、なかでも高齢者のすねに生じやすいのが特徴です。
皮脂欠乏性湿疹の治療
乾燥によるかゆみや炎症を抑えることが治療の中心となります。
具体的には、保湿剤による皮膚の水分保持、ステロイド外用薬での炎症抑制を行い、かゆみが強い場合は、抗アレルギー薬の内服を併用します。また、脱脂力の強い石けんの使用は避け、入浴時はタオルでゴシゴシ擦らず、優しく洗うよう心がけましょう。
白斑
白斑は、皮膚の色素(メラニン)が失われて白く抜けてしまう皮膚の病変で、先天性のものと後天性のものに分けられます。
後天的に現れる白斑の多くは「尋常性白斑(通称:白なまず)」と呼ばれています。原因ははっきりと解明されていませんが、自己免疫の異常が関与している可能性があるとされており、糖尿病や自己免疫疾患を合併することもあります。
白斑は全身どこにでも発症する可能性があり、見た目として皮膚の一部が白く抜けるのが特徴です。感染性はなく、人にうつることはありません。
尋常性白斑は、以下の3タイプに分類されます。
- 全身に左右対称に出現するタイプ
- 口周りや手足の指など限られた部位に現れるタイプ
- 皮膚の神経に沿って片側にのみ出現するタイプ
白斑の治療
当院では、ステロイド外用薬とビタミンD3外用薬を併用した治療を実施しております。
蜂窩織炎
蜂窩織炎は、皮膚の傷口から細菌が侵入することで発症する皮膚の感染症です。
原因となる細菌は、普段から皮膚の表面に存在していることが多く、火傷・手術痕・水虫・小さな切り傷などをきっかけに、皮膚の深い層まで入り込み、感染と炎症を引き起こします。
症状としては、患部が赤く腫れ、押すと痛みを感じるほか、熱を帯びる・皮膚が硬くなるといった変化が見られることがあります。
放置すると、発熱・全身のだるさ・関節痛・頭痛などの全身症状を伴うこともあるため、気になる症状がある場合は、一度当院までご相談ください。
蜂窩織炎の治療
蜂窩織炎の治療には、抗生物質の内服が基本となります。
ただし、発熱や強い腫れ、痛みなどの重篤な症状がある場合には、点滴による抗生物質投与や入院治療が必要になることがあり、その際は、高度医療機関へのご紹介を行っております。
疥癬
疥癬は、ヒゼンダニというダニの一種が皮膚に寄生することで発症する感染症です。高齢者や免疫力が低下している方、介護に関わる方に多く見られ、施設内や家庭内での集団感染を引き起こすこともあります。
症状は、体幹・指の間・陰部など皮膚の柔らかい部位に起こりやすく、進行すると全身に広がることもあります。強いかゆみが特徴で、掻きすぎによって赤みやかさぶた、湿疹が目立つようになります。
また、指の間などに「疥癬トンネル」と呼ばれる、ヒゼンダニが皮膚の中を移動した跡が線状に見られることがあります。
疥癬の治療
イベルメクチンという内服薬が効果的です。
通常、診断時とその1〜2週間後の内服によって、体内のヒゼンダニを効果的に駆除することが可能です。ただし、ヒゼンダニが死滅しても、その体内成分に対してアレルギー反応を起こすことがあり、治療後もしばらくかゆみが続く場合があります。
そのため、治療後の症状の経過を観察するために定期的な通院をお願いしております。
粉瘤
粉瘤(アテローム)は、皮膚の内部にできる袋状の構造物に角質や皮脂などの老廃物が溜まってできる良性腫瘍です。
通常は痛みやかゆみなどの自覚症状がほとんどなく、触れると皮膚の下に小さなしこりとして感じられます。
顔や首など目につきやすい部位にできた場合は早期に発見されやすい一方で、背中などの見えにくい場所にできた場合は、気付くことが遅れることもあります。
また、独特のにおいを伴うことがあり、それをきっかけに気付くケースもあります。
粉瘤の治療
粉瘤は自然に治ることはありませんが、すぐに手術が必要というわけではなく、症状が落ち着いている場合には経過観察も可能です。
ただし、細菌感染によって化膿することがあり、その場合は抗菌薬の内服や、必要に応じて切開して膿を排出する処置を行います。
膿を取り除くことで一時的に症状は改善しますが、袋状の構造が残っていると再発する可能性があるため、袋ごと切除する手術が必要になることもあります。
ほくろ
ほくろは、「母斑細胞(メラニン色素を産生する細胞が変化したもの)」が増殖してできる良性の皮膚腫瘍です。医学的には「母斑細胞母斑」または「色素性母斑」と呼ばれています。
メラニン色素が集まっているため、褐色~黒色をしており、腫瘍が皮膚のどの深さに存在しているかによって色の濃さが異なります。
また、発症時期によって先天性と後天性に分けられます。形状も様々で、平らなもの、少し盛り上がったもの、いぼ状になっているものなど、見た目にも個人差があります。
ほくろの治療
ほくろの除去は、局所麻酔を行ったうえで、病変部を切除する外科的処置を行います。切除後は縫合(糸で縫い合わせ)を行い、術後7〜10日ほど経過した時点で抜糸を行います。
切除した組織は、病理検査に提出し、良性・悪性の確認を行います。
手術から約1ヶ月後に再度ご来院頂き、検査結果のご説明と傷跡の確認を行います。
