いぼ（尋常性疣贅）の症状
いぼには様々な種類がありますが、なかでも最も一般的なのが「尋常性疣贅」と呼ばれるタイプです。
主に手のひらや足の裏にできやすく、表面はザラついており、色は肌に近いか、やや白みを帯びて見えることがあります。
ほとんどの場合、かゆみなどの自覚症状は見られません。
水いぼ（伝染性軟属腫）の
症状
水いぼは「伝染性軟属腫」と言い、特に小児に多く見られるウイルス性の皮膚疾患です。
表面は滑らかで光沢があり、小さな粒状のいぼが複数点在するのが特徴です。色は皮膚の色に近いか、ややピンクがかった色をしています。
全身のどこにでも現れますが、摩擦の起きやすい首周りや腋の下などにできやすい傾向があります。多くの場合、かゆみを伴い、掻き壊してしまうと、とびひのように周囲へ広がることがあります。
いぼ・水いぼができる原因
いぼの原因：ヒトパピローマウイルス
いぼは、ヒトパピローマウイルスが皮膚の微細な傷から体内に入り込むことで発生します。
銭湯や温泉、プールといった共有施設や、その脱衣所などで感染することが多く、ウイルスが皮膚に接触することでうつります。
また、家庭内ではタオルを共有することで感染が広がるケースもよく見られます。
水いぼの原因：伝染性軟属腫ウイルス
水いぼは、伝染性軟属腫ウイルスが皮膚の小さな傷から侵入し、感染することによって発生します。
主に小児に多く見られ、プールでの直接的な接触や、ビート板・浮き輪・タオルなどの共用が感染のきっかけとなることがよくあります。
特に幼稚園や保育園といった集団生活の場では、接触を通じた感染拡大が目立ちます。
ウイルスが原因でない
いぼについて
首いぼ（アクロコルドン/スキンタッグ）
首やデコルテ（首から肩・胸元にかけて）に現れやすい小さな突起状のいぼで、「アクロコルドン」「スキンタッグ」「軟性線維腫」といった名称で呼ばれています。
直径数ミリほどのものが多数できる場合もあれば、1〜2cm程度の大きなものが単独で現れるケースもあります。
主に加齢、紫外線、摩擦、体質などの要因が組み合わさることが主な原因と考えられています。そのため、中高年層に多い一方で、20代でも見られることがあります。
予防には、紫外線対策や皮膚への過度な刺激を避けることが有効です。
基本的には良性ですが、外見上気になる場合は液体窒素療法などの治療が可能です。また、稀に悪性腫瘍と区別が必要なケースもあるため、気になる症状がありましたら、お早めに当院までご相談ください。
脂漏性角化症
脂漏性角化症は、主に加齢や紫外線によって生じる良性の皮膚腫瘍です。顔や手の甲、胸部、背中、腰などにできやすく、表面はザラザラしており、色調は肌色から茶褐色、黒っぽいものまで様々です。
サイズも様々で、大きいものでは1〜2cm程度になることがあります。
基本的に治療の必要はありませんが、見た目が気になる場合には液体窒素療法での治療も可能です。お気軽にご相談ください。
いぼの治療
冷凍凝固法
液体窒素を用いていぼの患部を凍らせ、細胞を壊死させる治療法です。1～2週間おきに数回繰り返して行うのが一般的で、現在最も広く用いられている方法です。
施術直後には赤みや水ぶくれが現れますが、徐々にかさぶたとなって自然に剥がれ落ちます。治療の際には痛みを伴うことがあります。
ピンセット
水いぼなど一部のいぼは、ピンセットでつまんで取り除くことが可能です。
処置前に麻酔効果のあるテープを貼付するため、痛みは軽減されます。施術後の傷跡も時間が経つにつれて元に戻っていきます。
ヨクイニン（漢方薬）
ヨクイニンは、ハトムギから抽出された成分を含む漢方薬で、1日3回の服用が推奨されます。効果の判断には1〜3ヶ月ほどの継続が必要ですが、痛みや副作用が少ないため、身体への負担を抑えたい方には適した治療法です。
よくあるご質問
いぼは自分で取っても大丈夫ですか？
絶対にご自身でいぼを除去しようとしないでください。無理に取ろうとすると、かえって症状が悪化したり、炎症や出血を引き起こすリスクがあります。
また、見た目では区別がつきにくいものの、悪性のいぼの可能性もあります。まずは皮膚科で正確な診断を受けましょう。
いぼが大きくなってきました。
良性のいぼであっても、サイズが大きくなると治療後に残る傷跡の範囲が広くなる傾向があります。また、衣類に引っかかって出血したり、ムダ毛処理の際に邪魔になることもあります。
特に、急激に大きくなる場合は、悪性の可能性も否定できません。大きさにかかわらず、早めの受診をお勧めします。小さないぼであっても、遠慮なくご相談ください。
液体窒素による治療は痛いですか？
液体窒素を用いた冷凍凝固療法は、痛みを伴う治療です。いぼの大きさや深さにもよりますが、通常1〜2週間ごとに数回（場合によっては10回前後）の施術が必要となります。 その都度、施術中に痛みを感じる場合があります。また、治療後1〜2日程度は痛みが続くこともありますが、鎮痛薬の服用で対応可能です。痛みに不安がある方には、他の治療方法をご提案いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
液体窒素で焼いた後のいぼは、いつかさぶたになりますか？
治療直後は、凍結の影響で患部が白く変化します。その後、1〜2週間ほどでかさぶたができはじめ、自然に剥がれ落ちていきます。かさぶたは無理に剥がさず、自然に取れるのを待つようにしてください。